「ひまじんが本気でチョコレートをつくってみたらどうなるか」 忘れかけのカカオ 編
えーみなさんこんにちは。
おきくです。
２月です、
それも中旬。
えぇ。そうですね。
わかってますよ。。
・・・
・・・・
・・・・・
いや、本当に
わかってますよ。ほらあれでしょ。
日本の男女が頭を悩ませるあれ。
そわそわしだすあれ。
えぇえぇ。
せっかく忘れていたのに、
この時期いやに目につくあのワード。
そうです。
確定申告。
いやぁ、毎年ね。この時期になると
あーまた税務省行かなきゃかぁ。。とか
あれ、あの領収証どこに置いたっけ
っつってね。
。。。
。。。。。。
すいません。
最後の悪あがきでした。
・・
これだよぉーーーーーーー！！！
一応チョコレート
（になるはずと言われているが、その気配が一向に見えず
なんならバイオハザートが始まりだして、
なんかもうワタワタしちゃって、
挙げ句の果てに、もう見ないフリしてポイって。
放置されていたもの）
だよー！！！
なんかさ、
もう本当にこのまま忘れたフリして
ばっくれようと思ってたんだけど、
忘れようとすればするほど、
頭によぎる。
他のことに夢中になろうとすればするほど、
胸をチクリと刺す。
そう
怖いくらい覚えているの！
あなたの臭いやヌメりも全て！
これ恋か！
失恋か！
HYの曲か！
しかも世の中のバレンタインのあーだこーだで
完全に世界が、いや、宇宙が僕に
チョコレートから逃げるなと言わんとしている。。
・・・・
わかりましたよ！やりますよ！
もうちょっと踏ん張って見ますよ！！！
暇だからね！！
ということで前置き長くなりましたが
チョコレート編、再開です！
（・・・めんどくせぇ。）
ーーーーーーーーー
さーってと
放置、もとい、乾燥させたやつらを見にいこう！！
えーっと、
まずは、
。。。どこに置いたっけ？？
いや、あの、
楽しみにしている方には
本当に申し訳ないんだけれど、
あのバイオハザードを見てから
もうね、
「無理。」
という二文字が脳裏にこびりついて
興味失っていたのよ。
たしか、ベランダに置いたはず。。
無いなぁ。。。
つかハンモックでもう寝たい。
まぁ、
いつも
昼まで寝てるから毎日が昼寝なんだけどね。
脇にもない。
いや、まじでない。
あれ。本当にどこ行った。。？
・・
・・・
・・・・
あー、
これあれだな。
ファミリーが捨てたやつだな。
うん。しかたない。
だっても明らかに食べ物ではない
否、危険な物体と判断されても仕方ない
色と艶とヌメリだもん。
・・・・
・・・
えええーーー！！
マジで！？
本当に無い。
いや、こんなオチ、流石に期待していなかった。。
・・・・
・・・・
ということで！！
えー皆様には大変申し訳ないのですが！
なんと、チョコレート編
これにて終了です！！！
だって、捨てられちゃったんだもん！！！
ていうか、そんなにチョコ好きじゃないし。
砂糖とカカオをこうネリネリしただけでしょ？
普通のさ、どこにでもあるような。
いらんいらん。
コンビニで買え。
えー
ということでですね。
本当に
すいませんでした。
こんな感じになってしまって
チョコっと申し訳ないと思っています。
でももう、
お湯に溶かしてながしましょう。
ほろ苦い思い出とともに、、、
では、そういうことで。。。
次は何書こうかなぁ。。
・・・・ん？
むむ・・・・？？
ぬぬぬぬぬぬ・・・？？
あれ・・・・？？
いた。
おまえ、こんなところにいたんかーーー！！！
いや、ファミリー！！！
捨てるならちゃんと捨てといてーーー！！
中途半端な優しさはやめて！
しっかり忘れさせて！
たまにSNS上で
『いいね』
しないで！！
どういうつもり！！？？
・・・
ということでですね。
えぇ。
見つけてしまいました。
というかすげーところに置いたな
ファミリー。
・・・再開です。
（くっそーーー！！！！）
え、でもさ、
なんか思った以上にいい色になってね？
え、ちょっと待って。
お皿に移してみよう
ひょえーー！！！
なんか・・・
なんか
チョコっぽいーー！！！
え、マジで！？
しかもバイオハザード治ってる！！
みなさーん！ここにTウイルスのワクチンありますよー！
すげーー！！
俄然やる気出てきた！！
やっぱりそうだよね！
もともとポテンシャルあるもんな！！
信じていたぜ！チョコ！！！
うわーい！
チョコレートだいすきだよー！！
砂糖とカカオが奇跡の出会いを果たして
世界に平和をもたらす素敵な食べ物だもんね！
本気で作るよー！！
てかこっからどうするんだろ。。
えーと
なになに？
ぐーぐるせんせー。
「まずは焙煎しましょう。」
・・
またかいっ！！
つい最近コーヒー焙煎したばっかじゃい！！
まぁ、いいか。
かわいいチョコレートのためだもんね。
うふふ。
おなじみの
焙煎用フライパンにセットして、と。
よし！！
時間を計りながら、と。
準備万端！！
点火！！！
・・・あれ？
点かない。
はて？
あれ？
なんでだろうか。
他のとこもダメだ。
試行錯誤すること
約３分
原因
ガスタンクが空だったよー！！！
おーい！！
そりゃないよ！！
せっかくやる気ばっちしで
ゴリラエプロンまでつけたのに！！！
えーー！！
・・・でもまぁ。
さすがにこれはしょうがない。
ガスタンクは勝手には変えれない。
今日は諦めよう。
さて、じゃあ、なんにもやってないけど
片付けでもするか。
コンロの油が手についちゃったしな。
ん？
あれ・・・？
ぷっちーん。
断水かい！！
フザケンナ！！
おい！
これ全部チョコのせいだからな！
おいてめー！！
ちょっと甘い顔したら
調子乗りやがって！
これはあれか。散々放置した僕への
罰か？呪いか？
バイオハザートから呪怨系にシフトしたのか！？
どちらにせよホラーか！
そうか！
そういうの苦手だ！
だからやめろ！
ちゃんと作るから勘弁してください！
ということでですね。
今日は一切何も進まなかったけれど、
モチベーションを取り戻したよ。
というお話です。
また明日から続きやりますので、
乞うご期待！！！
「ひまじんが本気でコーヒーをつくってみたらどうなるか」 いざ 飲む時。
こんにちは。
おきくです。
２月になりましたね。
え？あぁ、はい。すいません。
あいかわらず暇ですけどなにか。
さて
来ましたよこの日が。
えぇ。
ついに、、、ついに
飲む時が来ましたよ！！
コーヒー！！
ひまじんが本気でコーヒーをつくってみたら
どうなるか。
最終話。
果たしてどんなコーヒーができたのか。。
あ、今回写真多めなので、ワイファイ環境、
もしくはPCで見ることをお勧めします。
あと、めっちゃテンション高め。
でもそうでしょ！やっとここまで来たんだよ！！
ということでね。
始まり始まり。
ーーーーーーーーーーーー
まずはみなさんに
みていただきましょう
これ！！
これ、ただのコーヒーじゃないからね！！
自販機で１００円入れて買えるのとか、
「ローソンよりセブンカフェの方がうまいよねー」
とかなんとか通ぶってる大学生が言ってるような
コンビニコーヒーじゃないからね！！
（ちなみに
ローソンはカフェラテが一番うまい。）
自分で作ったやつだよー！！！！
うう、、収穫に行ったのが遠い昔のようだ。。
懐かしい、、もう二度とあの日には
戻りたくない。。
まずは
他のコーヒー豆と比較してみよう！！
手前から
収穫、脱穀焙煎、全て自分でやった
コーヒー（通称ピーナッツ）
真ん中が豆はコスタリカで買って来て
自分で焙煎したやつ
んで奥がかの有名なゲイシャ。
これは反対側から撮ったやつ。
こうやって見ると
やっぱりゲイシャの豆はでかい
そして均等なサイズだし、色も統一感がある。
さすが。
真ん中のは流石にサイズの統一感がある。
でもやや茶色い。
もっと焙煎した方が良かったか。。
それにムラがすごい。。
やはり真っ暗の中でやる焙煎はこんなもんか。。
残念。。。（ちなみにまだ飲んでない）
そして自家製のは
思ったより色ムラは少ない。
でもサイズは多少ばらつきがあるね。
でも比べた感じ
普通に美味しそう。
いいぞいいぞいいぞ！！！
わくわくわくわく！！
じゃあ、
いっちゃいますか。
ねぇ。いいよね！？
こればっかりはいいよね！？
のんじゃうよーー！
まずは挽きましょう。
今回も前回同様カリタさんの
コーヒーミル。
電動とかあるけどさ、、
やっぱり僕は木のやつで、
手で挽くのが好き。
時間もかかるし、ちょっと手間だけど
そのちょっとした手間が
コーヒーを美味しくさせるような気がする。
あれ。ボケてるって？
違う。
あなたの心の目がくすんでるだけ。
消費大国日本に生まれし悪しき風習よ。
これを機に見直してください。
セット完了！！
一応今回は多めに飲みたいから
２０ｇ弱入れてみましたー。
ごりごりごりらごり。
えーこれはそうですね。
写真のクオリティには何も言わないでください。
はいこんにちはーー！！！！
ペーパーにセットして、っと。
おおーーい！！
これもうあれじゃん！！
あれあれ！！
コーヒーじゃん！！ねぇ！
つか匂いめっちゃいい！！
色からは想像できないくらい
爽やかな中にしっかりコーヒー感がある！
これを枕に入れて寝たい。
（深夜テンション）
ね。
ね。
いいでしょ？
いいでしょ！？
抽出始めちゃっていいでしょーー！！？
いっくよーー！！
くぅーーー！！
この瞬間があるから
コーヒー好きで良かった。。。
そう思える瞬間。
こぽこぽこぽ。
まずはちょっとだけ入れて
ムラしましょうかね。
あと様子見たい。
・・・ムクムクムク
でたーーー
チョコカップケーキ！！
えーっとですね。
よく言われているのは
焙煎されて間もない豆、
つまり鮮度の高い豆はですね、
いわゆるガスが溜まってるわけです。
それがお湯を注ぐことによって
発生して膨らんでいく。
そういうメカニズムになってるわけです。
みんな、そこらへんのコーヒー淹れてみ！？
全然膨らまないから！
新鮮っていいわねー！
つかこれかわいいよね。
この膨らむ感じ。
いや、なにこの可愛さ、まじで。
だれかこのコーヒーの可愛さを
世界文化遺産に登録してください。
あとこのゴリラエプロンも。
入れてる様子。
はい、もろで椅子の背もたれ写ってますね。
もう何も言わないでください。
皆まで言うな。
分かっている。
だって３秒しかなかったんだもん。
抽出中に
撮り直しするほど、
余裕ないんだもん。
でもこれが現実。
孤独という名の現実。
ま、いいや。
じゃ、続きいってみよう。
こんな感じで
抽出。。。
あー、いろんなことが走馬灯のように、
脳裏によぎる。。
ここまで本当に長かった。
特に脱穀。。。
二度とやりたくない。。
それ以外の苦悩は忘れてしまったが、
脱穀、貴様だけはまだこの指先に
痛みとして残っている。。
できたーーー！！
おい。
どうなってんじゃい。
これ。
コーヒーやん。
めっちゃいい香りするやん。
正真正銘のコーヒーやん。
そうか。やっぱり僕は
納豆でもピーナッツでも、ギャルでもなく、
コーヒーを作ってたんや！
もうだめだ。
飲みてぇ。
飲む。
もうすぐ飲む。
これが
僕に残された唯一の特権。
最初に飲める。
そして
独り占め。
あぁ。
緊張する。。
心なしか
ゴリラくんが
いけいけ！！
と背中押してくれている。。。
ごくごく。
・・・
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
たっはーーーーー！！！！！
ごりらくん：わっしょーーい！！
別アングルでもう一度。
んーーーーーーー・・・・！！！！
あぁぁぁぁぁ・・・・ーーー！！！
んーーーーーー！！！
（ごりらくんも力をためています。）
んーーーー！！！！
これはぁーー！！！
あ、
（あ、やべ。
３秒もう経っちゃった。
はやいはやい。
まだ準備できてないから。
もう一度、カメラをセットして、、と。
心なしか、ゴリラくんが
へいへい。って感じの顔してる。）
さ、気を取り直して、と。
んーーーーー！！！
あっひゃーーー！！！！
うっまーーーー！！！！
誰が飲んでもこんな感じの顔なります。
いやまじで。
素で。
若干カメラ目線に照れたのか、
視線ずらしているのもまたポイント。
これは、
めっちゃうまいっ！！
いやうまい！！
なんだこれ。。。
一言で表すと
銀河
英語で言うとギャラクシー。
スペイン語は。。。知らん。
タイ語で言うと นภสินธุ์
なんかね。
豆の色とか、
匂いは結構深入りなんだけど、
実際飲んで見ると
最初だけ。
引き際すごい。
英国紳士。
ちょっとだけ舌にピリッとした
刺激（雑味かな）があるんだけど
それがうまいこと苦味と
バランスを取ってくれる。
これぞ調和。
愛。
おきくは愛・地球博を応援していました。
後味もそんなにしつこくない。
かなりあっさりいける。
こってこての
ケーキ系の甘いものより、
ビスケットとかの
サクッといけるお菓子に
めっちゃ合うと思う。
てかうまい。
いや、まじか。
これはなんだろう。
想像以上にうまかった。
てかさ、
いや、すごくないかこれ。
ぼくさ、
ここから作ったんだよ。
たった一杯のコーヒー。
ねぇ。
長かった。
今でも思い出す。
冗談交じりで始めた収穫、
納豆ができた時の絶望、
脱穀のしんどさ、
その全てに意味があった。
よかった。
本当にやって良かった。
本気出して良かった。
胸張って言えます。
実体験から言えます。
なぁ、知ってるか。
コーヒー１杯作るのって
本当に大変なんだよ。
ありがてぇ。
本当に
なんかもう
ありがとう。
ということで！！
「ひまじんが本気でコーヒーつくってみたらどうなるか」
作った結果
めっちゃうまいコーヒーが作れる。
でした。
長いこと
お付き合いくださって
ありがとうございました。
これにて
コーヒー編は終了です。
ありがとう！！
完
「ひまじんは、いかにして『ひまじん』になったのか」 その後
ーー本日はお忙しい中、わざわざインタビューさせていただいて
ありがとうございました。
若いメガネのインタビューアーは
とても丁寧な物腰で僕に告げた。
「いえいえ、いいんですよ。どうせ暇ですから」
お決まりの決まり文句を口にして
僕は都内のカフェを後にした。
気づいたら少しずつ風が暖かくなってきている。
インタビューを受けるなんて初めてのことだから
うまく答えられたのだろうか、変なこと言わなかっただろうか。
そんなことを思いながら僕は
ココアシガレットを口にくわえ
街を歩く。
もう、慣れてしまった。
生命が込もっていない街中の喧騒に。
人混みの中にいても感じる孤独な気分に。
こんなこと、
向こうにいるときは感じなかったのに。
そう、僕はちょっと前まで
日本の裏側、
常夏の国、パナマにいたんだった。
久々に昔のことを思い出したもんだから
少し、ノスタルジックな気分になってしまうのも
仕方ない。
でも今でも思い出す。
あの時、こうしていれば。
あの時、踏ん張っていれば。
時折それは僕の深いところを
チクリと刺す。
どこが刺されたのかわからないほどの
小さな、
そして確実な痛みだ。
・・・とはいうものの、
もう一度やり直したいとは思わない。
結局同じことを繰り返すような気もするし、
自分のとった行動に
反省はしているけれど、
後悔はしていないからだ。
少しだけ、
今日は昔のことを
もう少しだけ、
思い出してみようか。
ぽりぽりとココアシガレットを食べながら
そんなこと考えた。
『「ひまじん」のその後 』
ーーーーーーーーーーー
１０月
僕はクビになった。
いや、実際に相方が僕のことを
クビにした訳ではないんだけれど、
でも僕はそう受け止めてしまった。
でも周りの人は僕にこんな言葉を投げつける。
もっと頑張れた。もっとできた。
新しい相方と一緒に頑張ればよかったじゃん。
確かにそれはその通り。
僕はその後の数ヶ月間、ほぼ何もしなかった。
それはまぎれもない事実、である。
が、しかし、
同時にそれは真実ではない。
つまり
僕が「何もしなかった」のは。
事実である。
しかし、ある理由によって、
「何もできなかった」
という側面がある。
どういうことか。
少しだけ、
自分のために、
免罪符を得るために、
昔話をしようか。
インタビューでは言えなかった
真実を語るために。
ーーーーーーーーー
パナマにとって
１１月、というのは一年の中で
大きな月である。
というのも、パナマが
スペインから独立した日、
コロンビアから独立した日
どちらも１１月なのである。
だからこそ、１１月は国中が
イベントだらけになる。
僕は１１月のことを「愛国月間」
と勝手に呼んでいたが、
それにふさわしいほど、街中では
国旗がいたるところで飾られている。
そして学校でも、もちろん同様だ。
（学校を国旗色に染めていく準備が始まる。もちろん授業時間に。）
そしてなぜかわからんけど
国旗を校庭にひたすら挿していく、
というイベントが開催される。
ちなみにこの国旗を挿す穴は
前日に校長から
おい。穴ほっとけ。全員分（１００人）な。
という無茶ぶりを食らって必死に掘った
豆ができた。
さて、
学校は、そのタイミングに合わせて
パレードを何回も行う。
僕の小学校は１０〜１１月の間に６回ものパレードがあった。
自分の村を回ったり、地方に遠征したり、
ほぼ全ての学校がこうしてパレードをひたすら繰り返す。
そういう月になる。
そうなると当然ながら、
その準備で１０月後半、
そして１１月の授業は潰れる。
全生徒が教室に集まって
まともに授業できる日なんて一週間
あるかないかくらい。
そしてこのパレードに全力投球するのが
パナマの文化である。
（パレードの様子）
今年は僕の村が会場になったため、
地方からいろんな小学校が参加した。
ちなみに、
１１月は暑い。
その炎天下の中、
半日、子どもはひたすら楽器を叩きながら
行進する。
去年は一人子どもが
倒れた。
そのためか、
今年は対応策がなされた。
普段から水は配られていたけれど、
今年は一つ、追加されたものがあった。
これ。
そう。
オリーブオイルだ。
理由？知らん。
なぜか今年のパレードには
オリーブおばさんがいて、
ひたすら子どもたちの口にオリーブを
放り込んでいくという
世にも奇妙な光景があった。
この
ほれ、一個いっとく？
という突然の理解不能のフリに
苦笑か思考停止する子どもたち。
いや、なんだろう。
これは。
彼女のこのドヤ顔、もとい
笑顔を見ていたら、ハッと気づいたことがある。
もしかしたら彼女は聖母なのかもしれない。
聖母マリアだ。そうだ。オリーブを振りまく
聖母様だ。
真面目に取り組んでいる人の裏で、
こそこそと子どもの口にオリーブを打ち込んでいく。
なるほど。表舞台には顔を出さず、
見えないところで静かに働く。
さすがマリア様だ。
その愛はとどまることを知らず、
手を差し出しているにもかかわらず
問答無用で口に放り込む。
少女の手が寂しく空を切る。
彼女はもう口しか見ていない。
次のターゲット、もとい、迷える子羊をみつけたら
一目散にその口めがけてオリーブを放り込む。
子どもが手を伸ばそうが何しようが気にしない。
そうかこれが愛。。か。
よくキリスト教の集会で一口のビスケットをかじるけど、
それに近しいものを感じる。
。。。オリーブオイルだけど。
お、っと脱線してしまった。
ココアシガレットを強く噛み、
もう一度記憶の糸を辿る。
余談だけど、ココアシガレットは
ココア味（茶色）じゃなくて、
普通の（白色）が一番うまい。
あと、なんか雰囲気がでる。
いい感じで。うん。たぶん。
そうだ。
パレードがあったんだ。
だから１１月はもう
自分の活動をする余裕なんてなかったのだ。
じゃあ１２月は？
まぁ、当然出る質問であろう。
ただ、
驚くべきことに
パナマの教育制度は
１２月の中盤から長期休暇に入る。
いつまで？
。。。３月まで。
そう。パナマの長期休暇は
３ヶ月にも及ぶ。
もちろん学校は閉鎖される。
１２月の
その中盤までの時間は？
ふむ、確かに時間はあった。
しかしその時期のほとんどの時間を、
教員は子どもの評価を記入する時間とし、
子どもはほとんど学校に来なくなる。
子どもがいなくても、同僚にいろいろ
話ができるでしょ？
ふむ。一理ある。
しかし、
悲しいことに、
そのタイミングで相方の母親が
亡くなってしまった。
そのため相方は学校に来れなくなった。
無論、
たとえ来ていたとしても
授業のことだけど。。。
なんてとてもじゃないけど言えやしない。
だから僕は１２月の初旬から相方とはもう
会っていない。
それに、次の授業が始まるまで
3ヶ月ある中であれこれ言っても絶対意味がない。
とも思っていた。
さらに畳み掛けるように
タイミングの悪さが続いた。
インタビューでも話したけれど、
JICAボランティアはそれを担当するのが恒例で、
例年通りなら今年は僕が担当する予定だった。
ある意味それが教育隊員としての
輝かしい功績を残す機会であり、
もっとも忙しい時である。
（皮肉を込めた言い方をするならば）
JICAボランティア映えするチャンスでもある。
しかし、
今年はローマ方法が１月の中旬にパナマに来る、
ということで、
そのセミナーそのものが消えてしまった。
それでもできることはあったのでは？
と、畳み掛けて来る諸君、
もちろん僕も頑張った。
非公式で、僕個人で行うセミナーを企画した。
そのための会議もした。
文科省の人間と交渉もした。
実際のプログラムも全て組んだ。
しかし、
結果はできなかった。
理由は、
「お金がないから」
だった。
文科省の人間にお願いしても、
今年の予算は全て使ってしまっている
と。
教育ができない理由に「お金」を持って来るところに
僕は少し憤りを感じたが、仕方ない。
これが現実だったのだ。
そして間の悪いことに、
JICAパナマの予算も底をつき、
こっちからお金を出すこともできなかった。
つまり、万事休すだった。
だから僕は
１１月から帰国に至るまで、
暇になるしかなかった。
結局のところ、
何もしていない。
というのは「事実」である。
だが、
いろいろ試みた後、
何もできなかった
というのが
「真実」である。
これが、みんなに語れる
最後の真実。
そして
言い訳という名の
免罪符である。
だから僕は
１２月から３月までの
約３ヶ月間、何もすることがない。
１月の段階で
日本に帰ることを打診したが、
（任期短縮）
認められなかった。
だから僕は
この暇という監獄の中で
身動きが取れず、
ただ日々を過ごすという
日常に埋没せざるを得ないのである。
そして
思いついてしまったのが
やれ、コーヒーつくろう
だの
やれ、チョコレートつくろう
だの
地獄のようなアイデアだった。
これはある意味
この「暇」という時間を
何かしらの存在へと
昇華する一つの手段だった。
そして今に至る。
そういうわけだ。
口の中の甘ったるさと
胸のモヤモヤをスッキリさせるために
水を飲む。
でもスッキリなんてしなかった。
台所からカレーの匂いがする。
今日も今日とて
我輩は暇である。
予定は、まだ、無い。
完
え、いいよね？
終えていいよね？
ありがとうございましたーー。
