中南米のひまじん。

不登校→大学院→青年海外協力隊→パナマ=ひまじん。スペイン語勉強中。そんな暇でしょうがないひまじんが、意識高いフリしてなんかする。

「ひまじんは、いかにして『ひまじん』になったのかその誕生ストーリー」 その3 完結編

 

残ったのは

無力感、そして真っ白の予定帳。

僕はそう、『ひまじん』になったのです。

(本文から抜粋)

 

 

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こんにちは。おきくです。

第三回に渡って

かの有名な「ひまじん」にインタビュー行ってきました

 

第二回までは彼の輝かしい

活躍が描かれています。

 

しかし、今日明かされる

彼の最大の苦難。

 

かれはいかにして「ひまじん」に

なってしまったのか。。

 

その真実が今日

だいたい68%くらい明かされる!!

 

今日が最後!

たぶん!

 

 

ではどうぞ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ぼく、クビになったんですよ」

 

 

なんとも息苦しい沈黙が続いた。

 

沈黙を続けるなんて

インタビューアー失格だということは

僕自身、重々承知している。

 

しかし、なにも返す言葉が浮かばなかった。

同時に、

何も返してはいけないような気さえした。

 

「ひまじん」さんも

言葉を言い放ってから

どことなく周りを眺めていただけだった。

 

いや、もしかしたら目の前ではなく、

遠いあの日を眺めていたのかもしれない。

 

 

その沈黙は意外な形で破られた。

 

 

*なにか追加のご注文はありますでしょうか?

 

 

店員さんの一言で僕は我に返った。

この機会を逃すわけにはいかない。

 

ーー「ひまじん」さん、どうです?

なにか甘いものでも。

なんでもここは、チョコレートケーキが

美味しいと評判らしいですよ。

 

すこしためらった後、「ひまじん」さんは

消え入りそうな声でこう言った。

 

「チョコレート・・ですか。

すいません。パナマに行ってからなんかチョコレートが

トラウマになっていて。。。」

 

tokotokok-k.hatenablog.jp

 

 

 

ーーそう、ですか。

 

しまった。やってしまった。。

 

 

「だからあの、水羊羹下さい。」

 

 

 

ーー!!??

 

 

 

とまぁ、こんな感じで場がなんとなく和み、

 

インタビューを続行することにした。

 

 

ーーえーっと、すいません。

少しお聞きしにくいのですが、そのクビになったとは

一体どういうことでしょうか?

 

 

運ばれて来た水羊羹を

ココアシガレット二本で器用にすくって食べていた

「ひまじん」さんのその手が止まった。

 

(ココアシガレットがどっから出て来たかは

僕は知る由もない。)

 

 

「そうですね。ちょっと長くなりますが、

その経緯を説明しますね」

 

ーーはい、よろしくお願いします。

 

 

「先ほども言いましたが、校長先生に呼び出しを食らったわけです」

 

ーーえぇ、そして

「『もうやることはない』と伝えた」と、

記憶しています。

 

 

「そうなんです。そしたら校長が、

『なら担当を変えろ』

と言ってきたのです。もちろん気持ちはわかります。

 

学校側としてはもっと多くの教員に変わって欲しい、

良くなって欲しいわけですから。

担当クラスの雰囲気がすごく良くなっていたのは

校長も知っていましたし。」

 

(担当クラスの子どもたち。わからない子をみんなで助けて考え合う様子。

決して答えを教えてはいけないと伝えていた。)

 

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「でも僕の心はそう簡単に割り切れるものではないわけです。」

 

 

ーーそりゃ今までずっと一緒にやってきたわけですからね。

  お気持ちわかります。

  もしかしてそれが「クビ」の原因ですか?

 

 

「いえ、そうではありません。

確かに、今まで面倒見てきた子どもたち、そして

相方との縁は切りたくなかった。でも同時に

限界も感じていた。だからこそ、校長に

どっちも担当させてくれと言ったのです。」

 

ーーなるほど。それは可能だったのですか?

 

 

「えぇ、校長も二つともできるなら問題ない、

と許可をくれました。」

 

 

ーーならよかったんじゃないですか?

 

 

「いえ、これは僕の考えが甘かったです

二つの学年を同時に扱う、というのは想像以上に

難しかった。ましてや新しい担当は

自校のセミナーには参加していたものの、

能力的にはほぼ初期状態でしたから

授業の展開を説明する、というよりも

授業中に携帯をいじるな。

というレベルからのスタートでした」

 

 

ーーえ?授業中に、ですか。

 

「えぇ。信じられないかもしれませんが、

これがパナマでは、少なくとも僕の学校では

当たり前の授業風景です」

 

 

ーーそう、だったんですね。

 

 

「もちろん僕の相方も最初はそうでした。

でも辛坊強く説明して、

今は授業中に椅子に座ることなく、

子どもたちのノートをチェックするようになりました。」

 

(子どもたちのノートをチェックする相方さん。これだけで大きな一歩だったと、『ひまじん』さんは語る)

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ーーなるほど。それはすごい進歩ですね。

 

 

「その分、新しい担当になった時、

『あぁ、ここからか、』と精神的にキツかったのを覚えてます。」

 

 

ーーそうですよね。お気持ちお察しします。

 

 

「そうなるとやはり、

新しい担任と打ち合わせしたり、

授業を行うにあたって大切なものはなにか、

という話をするために、時間が取られ

元相方の授業はあまりじっくり見れなくなっていきました」

 

 

ーーなるほど。

 

「そして久しぶりに元相方の授業を見に行ったんです。

そしてら・・・」

 

言葉につまる「ひまじん」さん。

水を飲む。

 

・・・

良く見たら羊羹が喉に詰まっていて

水で流し込んでいただけだった。

 

 

ーー授業はどうだったんですか?

 

 

「びっくりしました。携帯こそいじってないものの、

授業が授業として成り立っていなかったので。

目を疑いました。言葉が出ませんでした。」

 

ーーそ。。。そんな。。どうしたんですか?

 

「単元が変わってたんです。

今まで一緒にやってきた単元、分数だったのですが、

それが終わって新しい単元になってたのです。」

 

ーーそうだったんですか。

 

「僕がこの学校に派遣されてきた時と同じように、

子どものことを一切考えないような、そんな授業でした

もちろん教材も何もかもなく、板書も行き当たりばったり。

計画も練ってませんでした。」

 

 

 

ーーそれで、どうされたんですか?

 

 

「呼び出しましたよ。そりゃもちろん。

どうしたんだって。なんでこんな授業をしてるんだって。」

 

ーーそしたらなんと?

 

「彼女、こう言ったんです。

 

もう、『日本式の授業はやらない』って」

 

 

ーー・・・え?

 

「それ言われた時、目の前が真っ白になりましたよ。

言葉の意味が最初わかりませんでした。

え?え?どういうこと?って

でも言葉が出なくて立ちすくんでしまいました。」

 

 

ーー原因はなんだったんですか?

 

 

「はっきりしたことはわかりません。

ただ、彼女がいうには、

 

『日本式の授業は確かに必要だし面白い。

でもそれは私たちにとっては難しい。

それに時間がかかる。

でも私には時間がない。

だから、パナマ式でいく』

と」

 

ーーそんな・・・

 

 

「さすがにショックでした

あ、大事なことが伝わってなかったんだな。って」

 

ゆっくり、重い口どりで

こう続ける。

 

「確かに、教員たちに時間がないのはわかります。

それほどパナマのカリキュラムは時間に対しての量が本当に多い。

ありえないくらいです。

 

でもあくまで

『授業は子どもたちのためにやるんだ』って

『カリキュラムを終わらせる=子どもたちの学びではない』

ということを

口が酸っぱくなるほど伝えてきたつもりだったんですが、

最後にはやはり、自分の仕事を終わらせる、という

ところに目がいってしまたんです。きっと。

単元が変わって、考えてしまってんでしょうね。

終わらせるべき内容と、時間の兼ね合いを。」

 

 

「その時、僕の中で積み上げてきた、

いや『積み上げてきたつもり』だったものは

実は『砂上の楼閣』だったんだな。

って思い知らされました。

そして、自分の成功を過信して疑わなかった僕自身を

恨みました。」

 

ーーそ、それ・・

 

言葉を挟む間も無く、彼はこう続けた。

 

 

「そして聞いたんですよ。

『じゃあもう僕は、僕の助けはいらないの?』

って」

 

 

ーー・・・それでなんと?

 

 

 

「ーーいらない、と。」

 

 

 

 

重苦しい沈黙が再び二人を包んだ。

 

否、

水羊羹を食べ終え、

ココアシガレットをぽりぽりする音は

絶えず聞こえていた。

 

 

「それで、僕は、本当に情けない話ですが、

諦めたんです。『もういいや。』って

 

プツンと全てが切れたような気がしました」

 

 

ーーそれはいつ頃の話ですか?

 

 

「だいたい10月くらいです」

 

 

ーーそれで、どうなったんですか?

 

 

 

「どうにもなりませんよ。

ただ、残ったのは無力感、だけです。

そして真っ白の予定帳。

 

僕はそう、『ひまじん』になったのです。」

 

 

誰かがカフェの扉を開いた。

 

そっと涼しい風が何も言わず

僕らの頬を撫でて、

また、消えた。

 

その行く先を誰にも知らせぬまま。

 

 

 

これが「ひまじん」さんが

『ひまじん』になったコトの経緯である。

 

最後の最後に踏ん張れなかった。

最後の最後で諦めてしまった。

 

あの時もし続けていたら。

あの時もし、説得できていたら。

 

もしかしたら今も『ひまじん』さんは

学校の廊下を走り回っていたのかもしれない。

 

でもその未来を

もう、誰も創ることはできない。

 

その未知を歩くことはできない。

 

ただ、過ぎ行く時間を、

流れゆく川の流れを、

遠くから眺めるだけである。

 

一人の暇な人間として。

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

え、あの、一応これ、オチ。でいいよね?

完結した。って言っていいよね?

 

今に続く話とか、いらないよね?

 

 

え?え?

いらないよね?

え?いる? 

 

11月らへんから今にかけて?

 

 

えーーー。

じゃあ書くよ。

たぶん。

 

 

「ひまじんは、いかにして『ひまじん』になったのかその誕生ストーリー」 その2

f:id:tokotokok-k:20190209124252j:plain(写真は特に意味ありません)

 

 

 

 

「なんというか心の糸

プツンと切れたような、

そんな気持ちになりました」

 

(記事内から抜粋)

 

 

 

こんにちは

おきくです。

 

今日も前回に引き続き

あの中南米で暇されている

「ひまじん」さんにお話を伺いたいと思います。

 

様々な苦難がありつつも

それをモチベーションに変え、

生きてきた彼、

しかし、そんな彼がなぜ、

今こうなってしまったのか。

 

ついにその真相に迫ります。

 

実録ドキュメンタリー。

ひまじんはいかにして「ひまじんに」なったのか

真相編

 

 

 (実際には真相は明らかになりません。俗にいう詐欺です)

 

 

お楽しみください。

 

_______________

 

2月某日、

都内某所のあるカフェに

彼は少し遅れてやってきた。

 

「どうも。遅れてすいません」

 

ーーいえ、こちらこそわざわざご足労いただき

  ありがとうございます。

 

 

「いえ、いいんですよ。暇なんで。

あ、すいません。アイスコーヒーください。ブラックで」

 

 

ーーコーヒーお好きなんですか?

 

「えぇ。パナマで暇だったときコーヒー手作りしてました」

 

ーー手作り、ですか・・。

 

「えぇ。二度とやりたくないですけどね」

 

tokotokok-k.hatenablog.jp

 

 

・・さて、せっかくで恐縮なんですが

  お話の続き、よろしいでしょうか。

 

 

「えぇ、もちろんです。

・・・・ええと、どこまで話しましたっけ?」

 

運ばれてきたコーヒーに口をつけ、

ポケットからココアシガレットを取り出す。

 

 

 

ーー相方さんと喧嘩した、というところまでです。

 

「あーそうでした。

そこからがね、一番大変でした。

でも同時に僕のボランティア生活の中で

一番充実していた時期でもありました」

 

 

ーーその時のことを詳しく話していただいてもいいですか?

 

 

「えぇ。とにかくその1ヶ月間、

僕は日本のように授業案、板書計画をつくり、

全授業を担当しました。

また、その記録をまとめ、データ化し、

さらにそれを冊子にし、相方に渡していました。」

 

ーー冊子にまで、ですか?

 

 

「えぇ、やっぱり僕が授業をするだけでは

何にも変わらないし、帰国したら何も残らないじゃないですか。

だから、僕がいなくても少なくとも僕がやった授業はできるように

しておく必要があると感じてたからです。」

 

彼は少し誇らしげにこう語る

 

ーーなるほど。

  しかし、そのような毎日を過ごされていて

  どうしてその・・

  失礼ですが、「ひまじん」

  になってしまったのでしょうか?

 

 

・・・ぽりぽり(ココアシガレットを噛む音)

 

 

「そうですね、それを説明するためにもう少し

忙しかった日のことを話していいですか?」

 

 

ーーもちろんです。是非お聞かせください。

 

 

「僕はその活動を始め出した6月ー7月を算数月間と位置付けて

 とにかくいろんな活動を詰め込んだんです

例えば、以前セミナーのお手伝いをさせていただいた

先輩隊員のセミナーに相方、そして、やる気のある同僚を

連れて行って3日間、

日本の教授法を学んでもらったりしてました。」

 

ーーなるほど。それは彼らにとっていい経験になったでしょうね。

 

 

「えぇ。おそらくそうだと思います

ただ、僕の中には同僚が学ぶだけでは意味がないとも

同時に思っていたんです。」

 

 

ーーというと?

 

こう問うと、ひまじんさんはしばしの沈黙の後、

堰を切ったように話し出した。

 

「つまり、セミナーで学んだものを自分たちで消化し、

日々の活動に組み込んで初めて意味がある、

と考えてました。

 

そこで自分たちの学校でもセミナーを開こうとしたんです。

 

でもそれはよくあるような

日本人が現地の先生たちに指導するのではなく、

日本の考えを学んだ現地の先生が、

他の先生たちにそれを伝えていく。

 

そういう形のセミナーが

必要だと考えていたのです。

 

そしてそれこそが

『僕たちボランティアの目指すべき活動の形』

だと考えました。

 

話し方にだんだん熱が帯びていく。

 

ーー具体的にはどのようなことをされたんでしょうか?

 

「自分たちの学校に近隣の学校の先生を呼び、

相方や、一緒にセミナーで勉強した同僚たちが

講師として何を学んだか、それをどう授業の中で

活かしていくか、それをテーマに2日間のセミナーを

開催しました」

 

 

一息だけ入れて

また、話し出す。

 

「また、それだけではなく

日本でいう教育学部生にあたる

パナマの学生たちをを自校に呼んで

ちょっとした遊びをやってもらったり

実際の授業を見学してもらったりと、

教育の現場を知ってもらう機会も作りました」

 

 

(自校で行なったセミナーの冊子。全てひまじんさんが作ったという。
本人曰く、結構気に入ってるそうだ。)

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(他校の先生に向けて模擬授業を行なっているひまじんさんの同僚。)

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ーーなんだか活動が

  ものすごく盛りだくさんですね。

 

「えぇ、この国の特徴として、

鉄は熱い時に叩け、じゃないですけど時間が経つと忘れちゃうんですよ。

なので、一気に詰め込みました。

 

それでも活動の主軸をしっかりと

見据えていたつもりです。

つまり、

他所のセミナーで『自分たちが学び』

自校開催のセミナーで『周りに広げ』

教育学部生をに出会い『未来に繋げる』

この3つを主軸に約1、2ヶ月間、全力投球しました」

 

一気に話し終え

ひまじんさんの息はすこし荒れていた。

よっぽど彼の中で大きな経験だったのだろうか。

 

 

 

気づいたらカップの中のコーヒーは冷めていた。

 

・・・

と思ったら最初からアイスコーヒーでした。

 この場を借りて謝罪いたします。

 

 

 

(参観に来た教育学部生と打ち合わせをしているひまじんさん。学生たちも真剣に話を聞いている。ひまじんさん曰く、この時期にメキメキとスペイン語力が伸びたという)f:id:tokotokok-k:20180731081704j:plain

 

(学部生が子どもの目線に降り、足し算を手伝っている姿。こんな姿は滅多に見れず、これを見た時、ひまじんさんは思わずパナマの教育は明るいと感じたそうです。)

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ーーいやぁ、すごいですね。なんだかものすごく

  充実してますね。

  活躍されているみたいじゃないですか。

 

 

 

 

「『その時までは』、、、ですけどね。」

 

 

 

今までの熱が嘘のように、

ふっと消えて、

急に寂しげな静寂が流れた。

 

 

できることならココアシガレットを差し出したかったが

あいにくポケットにはメントスしかなかった。

しかもグレープ味。

スーパーで88円だった。

 

 

ーーなにか、あったんですか?

  その、トラブル、とか?

 

聞いてはいけないような気がしたが、

聞かないという選択肢は僕の中にはなかった。

 

「いえ、その逆です。順風満帆だったんです

むしろ良すぎたくらいに、、、」

 

 

ーーではなぜ?

 

少しだけ寂しそうな顔をして

彼はこう続けた。

 

「算数月間を終えて、

相方の成長を実感していたそんな時、

首都に木曜日から行かなくてはならなかったんです。

そのため、金曜日に相方と会えず、週明けの月曜日の授業準備の話を

することができなかったんです」

 

 

ーーなるほど、、それで月曜日に行ったら散々だったと・・?

 

「いえ、逆です。完璧だったんです。授業案を準備していて、

自分で作ってきた教材を黒板に貼って、授業展開もしっかりとできてました」

 

ーーえ!?それは良かったじゃないですか!

  文句ないじゃないですか!

 

僕のテンションとは正反対に、

彼の口調はひどく冷静だった。

 

「でも、僕たちボランティアにとって

 

『文句がない』

 

ということは自分の仕事の終わりを意味するんですよ」

 

 

ーー・・あ・・・

 

「いや嬉しかったですよ。本当に

ここだけの話、授業参観中に

少しだけ涙目にもなりました。

『ようやくここまできたんだな』って

 

でもそれと同時に感じたんです。

『あぁ、もう僕にできることはないな』と」

 

 

ーーそんなことは・・・

 

「いえ、そうだったんです。

少なくとも僕にとっては。

つまり、

僕は自分の中で

 

無意識にゴールを決めてしまっていたんです。

 

ここまで行こうって。

それを目標に頑張っていた。

しかしそれを達成してしまった時、

 

なんというか心の糸

プツンと切れたような、

そんな気持ちになりました」

 

 

ーーそう・・・だったんですか。

 

 

「そういうものはやっぱり伝わるもので

何日か過ぎた時、校長に呼び出しくらったんですよ

最近どうしたって。だから僕はありのままに

現状を話したんです。もう僕にできることはないって

 

 

ーーなるほど。つまりは、仕事をやりきって

  モチベーションが下がり、「ひまじん」に

  なったと?

 

 

「いえ、僕のモチベーションが下がったのは、

 相方が原因でした」

 

 

ーーなにがあったのでしょうか?

 

 

 

「ぼく、クビになったんですよ」

 

 

 

彼は最後のココアシガレットを口にほおると、

その空き箱をぐしゃっと潰した。

 

その音がやけに喫茶店に響いた。

 

 

 

 

 

 

次回

本当の最終回。

 

クビになった男、そして「ひまじん」に。

 

 

乞うご期待。

 

 

ごめんなさいい!!

だって3000文字超えちゃったんだもん。

 

次で無理やり終わらせるから!

ね!

 

「ひまじんが本気でコーヒーをつくってみたらどうなるか」 コーヒー焙煎 編

 

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こんにちは。

 

もういくつ寝てもひまじんです。

 

 

 

えーっと

もうあれです。

これが全ての原因(凶)です。

 

tokotokok-k.hatenablog.jp

 

そして前回。

 

 

tokotokok-k.hatenablog.jp

 

 

そうなんですよそうなんですよ!!

 

ついにきました焙煎!!

 

え?

焙煎ってなーに?

 

という方に。

いろいろ説明を考えたのですが、

難しいことばは使いたくない。

専門用語も使いたくない。

身近な言葉で。。。

 

でたどり着いたのがこの答え。

 

 

焙煎というのはですね、

 

炒めることです。

 

つまりは

 

今からコーヒー炒め定食を作る。

(ご飯、味噌汁、漬物無し。)

 

そういうイメージで概ねいいでしょう。

12%くらいは合ってます。

 

 

・・・知らんけど。

 

 

ま、いいや!!!

さて、本編行きましょうか。

 

 

さーー

焙煎!!

 

はじまりはじまり

あ、今回はあれです。わりかし自分が

自信を持っているところなので、

冗談は少なめです

(いや、どの記事もふざけてるつもりはないけどね!!)

 

ちょっとだけ説明口調ですが、

まぁ、たまには許してください。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

・・・

少しだけ、語らせてください。

 

僕は趣味で

コーヒー焙煎を

(手で)ずっとやっていたので

ある程度の経験があります。

その中で

コーヒーに対して、

焙煎をすることに対して

想うことがあります。

 

というのも、

「焙煎」という工程は、

コーヒーを作る上で一番大事だと

僕は思っております。

 

一杯のコーヒーを作る。

 

その背景にはたくさんの

労力と

時間が必要です。

 

(今回身をもって知ったわけですが)

 

 

そして

その集大成を成すのが

この「焙煎」という工程です。

 

今までの工程を足し算と例えるなら

焙煎は掛け算です。

 

こつこつ積み重ねてきたものを

2倍にも5倍にも一気に引き上げる。

しかし失敗すると0になってしまう。

 

本当に本当に難しいのです。

 

火の強さ、タイミング、豆の種類

そういったもので味がどんどん変わっていく。

手で焙煎する場合、

同じ味をつくるのは本当に難しい。

 

本当にデリケートな作業です。

だからこそ、楽しいと僕は感じています。

だからこそ、僕はコーヒーを愛しています。

 

今回はいつも以上に

難しい戦いになるでしょう。

 

 

・・・

・・・・だって、

 

 

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外だもん。

アウトドアだもん。

 

 

 

っておーいい!!!

 

いや、ね、

あんだけデリケートだの

コーヒー定食だの意味わからんこと言っといて

 

結局

外!!

 

デリケートどころか

ワイルド!!

 

 

えぇ、

前言撤回しましょう。

コーヒー定食をつくのではなく、

コーヒーBBQです。

 

 

。。。。。

だってさ、だってさ、

知ってます?

 

焙煎するとさ、スッゲー

カスが出るのよ。皮が。

室内でやるともう大変よ。

 

一応ホームステイの身分なので

ママに焙煎したいのだけど、、、

って聞いたら

 

「あぁ、コンロとガスタンクあるわよ」

(外でやれ)

ですって

 

いや、そりゃ断れないじゃん。

 

わーい!グラシアス!!

外でやるね!!

って言うしかないでしょ。

 

さて、改めまして、始めましょう。

まずは

道具紹介。

 

 

家の隅っこに置いてあった

フライパン。小さい。最初から焦げてる。

 

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ワイルドな

ガスコンロ・・・?

 

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ガスタンクとつなぐチューブ。

物置の隅っこにずーっと放置してあった。

 

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完成。

 

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いや、手作り感がすごい。

コーヒを全力で手作りして来たけど、

まさか焙煎道具まで

手作り感満載とは。。。

てか

チューブ繋いだ時

めっちゃシューシュー

ガス漏れてるんですけど!!

ダースベーダここにもいますけどっ!!

え、大丈夫!?

 

これで大丈夫かなぁ。

なんか風めっちゃ吹いてるけど。。。

焙煎ってほんとデリケートよ。

ねぇ。不安、、、

え、これでやるの?本当に?

 

・・・

まぁやりますけどね!!

えぇ!やりますとも!!!

なんなら薪を組んで火を起こす必要がないだけ

めっちゃラッキー!!

え!?ガス使っていいんですか!?

文明さいこーー!!

 

・・・

さぁ、行きましょう。

ちょっとだけ焙煎のやり方説明しながらね。

 

まずは豆を準備しましょう。

もちろん生豆です。

 

左がピーナッツ。

右がギャルです。

まずはピーナッツからやりましょうか。

 あぁ。。ついにここまで来た。。

我が子を旅立たせるみたいだ。。。

ちょっと感動。。

 

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まず、ザルにあげます。

 

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え、なんで台所だって?

 

 

そりゃね、

 

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水で洗うからです。

 

 

意外と思う人がいるかもしれませんが

意外と大事。

焙煎前にちょっと水で洗いましょう。

お米を研ぐ感じで。

2分くらいで十分です。

 

理由としては

豆が水分を吸収することで

芯まで熱が通りやすくなる。という噂を聞いたからです。

実際に水あり、なしで焙煎し、比べてみましたが、確かに

水ありの方が美味しかった、、、気がしないでもない。

 

 

さ、

炒めましょう。

 

えー気づかれると思いますが

もう夕方です。

だって珍しく仕事あったんだもん!!!

 

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火加減は最初中〜強くらいかな。

水分が蒸発するのを待ちましょう。

 

かるーくかき混ぜてください。

 

水分が蒸発したら

火を中火よりやや弱めにします。

 

 

ちなみにこれが

入れて2分、3分程度経って、

水分が蒸発し終わったくらいの色です。

若干色が変わってきたような気がします。

 

 

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そこからさらに

2分くらい。

 

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そうすると

少しずつ

豆の皮が剥がれてきます。

 

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こいつがまぁ、ものすごい出るので

家が汚れていくわけです。

 

 

 

 

そこからさらに

3分ほど。

 

 

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だんだん色が濃くなってきましたね。

 

開始から10〜15分前後で

(豆の量、火加減等による)

 

パチパチという音が聞こえます。

これが俗にいう

「ハゼ」と呼ばれるもので

火が入ってるよー!!という合図です

 

ここまでやってようやくコーヒーとして

飲めます。

ここら辺〜もうちょい

でやめると

あっさりとした風味、酸味を

味わいたい人向けの味に仕上がります。

 

 

さらに3分、

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完全に色が濃くなってきました。

皮もガンガン剥けてます。

 

この辺になってくると

もう一度パチパチ

という音が聞こえてきます。

これが2回目のハゼです。

これ以上やると焦げちゃうよー!!

の合図で

じっくり濃いめが好きな人向けの味です。

 

 

粒を拾うとこんな感じです。

 

 

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完全に

街角で見かけるコーヒー豆になってきました!!

 

僕は濃い方が好きなのでこの辺まで

しっかり焙煎します。

 

ちなみに焙煎した豆を

ひょいひょいつまみ食いして

なんとなく味見できます。

 

何回か焙煎していると

食べた時の味でだいたいの

焙煎具合がわかります

(自分の好みの味かどうか)

 

 

 

 

もちろん全行程中、かき混ぜ必須です。

一部だけに火が入って焦げないように!!!

 

(だから写真上手く撮れてないよ!ごめんよ!)

 

色に

ばらつきがあると、味もはっきりしません。

 

 (たぶん。

でも統一感あるのとバラバラだったら

統一感あったほうが美味しそうじゃん。)

 

そして

もうこの辺でやめとくか。

えーでもどうしようかぁ、、、

 

と優柔不断が発動した時に止めるのが

一番ちょうどいい味になります。

 

  火からおろしても余熱で若干進むからね!!

 

 

 

こんくらい常にガン見しといてください。

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え?誰が撮ったかって?

それは聞かない約束。

 

焦げないようにダッシュ

椅子に携帯を乗せ、タイマーセット、

ダッシュでもどったわけじゃないからネッ!!

 

あとごめん!!

エプロン忘れた!!!

宮崎駿さんすいません!!

 

 

ま、それはいいとして

さて、

火からおろしたらどうするか?

 

ザルでもなんでもいいので

フライパンからおろしましょう。

 

そんでもって。。。。

冷まします。

人肌程度までは。

 

どうやって?

んなもん扇風機じゃ!!!

うちわでもいいんだけど

この国にそんなものはないっ!

 

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そんで冷めたら

保存容器に入れましょうねー。

僕はジップロックに入れました。

 

そしてこれが!!!

完成品!!!!

 

(もう暗くてよく見えないのは

ごめんなさい。)

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でもさ、言い訳させて

完成した時、

 

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ガッツリ夜だもん。。。。

 

 

ワンちゃんが脱走したり、

いとこが遊び来たりで大変だったんだもん。。。

 

 

 

でもまぁ、

それはさておきさ、

ついにここまできたんだよ!!!

 

最初はさ、

こいつだよ!!?

 

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よくここまで来たもんだ。。

 

 

 

と、いうことですね。

ついに

コーヒーを焙煎することに成功しました!!!

 

焙煎後、2日置くと美味しくなるので

二日後!飲みます!!!

 

いや、ほんと嬉しい。。。

 

 

え?

ギャルはどうなったかって?

 

あるよ。

 

ちょこん

 

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すっくな!!

 

 

このあとちゃんとやりました。

 

 

 

次回

 

「ひまじんが本気でコーヒをくくってみたらどうなるか」

いざ実食(実飲)

 

最終回だよっ!!

 

お楽しみに!

 

え?

ちょこ・・?

んなもんしらん。